ダイエットの前に「体力向上」を意識して効率よく健康的に痩せよう!

一年を通して四季折々の楽しいイベントがあり、その際には旬の食事を楽しみますよね。ですが人との楽しい食事はついつい食べ過ぎたり、飲み過ぎたりしがちです。その後、慌てて“ダイエット”に取り組みたくなる方も多いと思います。

この記事では、効率的なダイエットを行う上で基礎となる「体力向上」の大切さについて詳しくお話していきます。

 

「ダイエット」よりも「体力向上」が大切な理由

まずは、そもそもの「ダイエット」の本来の定義をおさらいするとともに、昨今のダイエットのトレンドに潜む問題点を解説していきます。

「ダイエット」の本来の意味

ダイエットとは、もともとは食事を管理して体重を減らしていくことでした。英語圏での<Diet>は普段の食事や食生活を表すほか、減量や健康など特定の目的を持った「食事制限」や「食事法」を意味しています。しかし、いつしか運動をして体重や体脂肪を減らすことも「ダイエット」という表現が使われ出しました。

おそらく、最初は何もわからず多くの人達が体重を減らす行為をダイエットと呼んだことが始まりだと思われますが、今では食事と運動で体重や体脂肪を減らすことをダイエットと表現することが普通になってきました。

昨今のダイエット事情と「誇張されたキャッチコピー」

日本では長い間「食べない」ことが主流のダイエット法ばかりが流行していましたが、近年になってようやく「運動と食事をバランスよく行う」方法を提唱する専門家が増えてきました。

「食事だけ減らしたのでは健康を害します」
「運動を併用することで健康的にダイエット!」
「脂肪を燃やすのは有酸素運動」
「筋トレも基礎代謝を高めるので効果的」

みなさんも一度は耳にしたことがあるであろうフレーズです。このお決まりのフレーズはとっても重要で、まさにこの通りに実行していれば健康生活そのものなのです。

ですが、それでも昨今ダイエットにおいて問題が生じています。それは、どこか一部分だけを大げさに取り出して、その効果を大げさに表現することにあります。

あたかも短期間でそうなるかのような街中の広告もよくありません。そんな紛らわしい世の中の雑音に運動の効果を埋もれさせないで欲しいものです。

「◯◯だけ」をやめることで効率よく体力向上させて結果を出す!

「脂肪を燃やすのは有酸素運動」
「筋トレも基礎代謝を高めるので効果的」

こういったキャッチコピーを聞くと「脂肪を燃やしたいから有酸素運動“だけ”やろう!」とか「基礎代謝を高めたいから筋トレ”だけ”頑張る」などという方が出てきます。これら全てが間違いなわけではありませんが、半分が間違いです。

確かに有酸素運動は脂肪を燃やします。しかし、運動のエネルギー源として効率よく燃やされたとしても、もう一つのエネルギー源である糖質と半々です。

つまり100kcal消費しても糖質50kcal+脂肪50kcalが消費されるということです。それもかなり効率よく脂肪が使われたとして、です。実際は運動でのカロリー消費はたいてい糖質の方がたくさん使われます。体脂肪を1kg減らすには約7700kcalの消費が必要です。

また、筋トレは確かに基礎代謝を高めます。しかしそれは微々たるもので、消費カロリーがドラマチックに増えるようなことはあまり期待できません。

「○○で体脂肪がガンガン燃える!」
「○○筋トレで驚異のダイエット!」

なんて言葉や文字がそこらへんに散乱してますよね。「ダイエット」「痩せる」「体型を変えたい」ということに、それもかなり短期間に効果を期待するのはやめましょう。

ダイエットに“つながる”体力を向上させる運動

ここまで、「ダイエットの定義」と昨今のダイエット事情の問題点を解説してきました。ここからは実際に効率よくダイエットを行う上で欠かせない効果的な「体力向上」のポイントをお伝えしていきます。

「筋力トレーニング」のメリット

筋トレの中でも「腹筋運動」であれば部屋の中、布団の上でもできる簡単な動きで取り入れやすいでしょう。最初は10回しかできなかったとしても、毎日続けることで少しずつ回数を増やせたりして筋力がついていくことの実感が湧くようになります。

さらに、

・姿勢がよくなる
・腰痛がなくなる
・疲れにくくなる
・代謝が良くなる

といった、身体の内側・外側両方にとって嬉しい変化が起きてきます。

「有酸素運動」のメリット

有酸素運動の中でも「ウォーキング」であれば、誰でも簡単に始めることができます。ウォーキングを取り入れることのメリットは以下のとおりです。

・血液循環がよくなる
・動脈硬化予防になる
・心肺機能が向上する
・筋肉が鍛えられる
・ストレス解消になる

まだまだ効用はあります。自分に合った距離やスピードでウォーキングを1ヶ月も続ければ身体の変化に気づくはずです。早い人だと、一週間で自身の体力の変化などに気付けるでしょう。

日々の生活で取り入れやすい運動や動き

こうして、自分の体力が向上していく喜びを感じることができれば運動も継続できます。とはいえ、デスクワークがメインの方や運動習慣がずっとなかった人にとってはウォーキングや腹筋運動でも気が重くなる人もいるかもしれません。

そういった場合には、

・エレベーター・エスカレーターではなく階段を使う
・移動は車ではなく徒歩や自転車を利用する
・部屋の掃除はクイックルワイパーではなく雑巾掛けにする

といったような日常の中でまずは運動習慣をつけてみましょう。1日の中で動く時間を少し増やすだけでも「塵も積もれば山となり」体力がみるみる向上していきますよ。

【まとめ】健康な体づくりはダイエットより「体力向上」から!

ここまで、日常で取り入れやすい運動や習慣化のコツについてお話してきました。もちろんジムでいろいろトレーニングするもOK!パーソナルトレーニングでしっかり自分に合った指導を受けるのもいいと思います。

最初は少ししんどいこともありますが、比較的短期間で慣れてきてラクになってきます。自分の継続できる範囲で「楽しみながら」一緒に体力向上していきましょう! 

筆者プロフィール

大塚聡 / パーソナルトレーナー(株式会社サミープロジェクト)

株式会社 サミープロジェクト代表取締役
サミーコンディショニングスクール代表
一般社団法人日本生活体力推進協会代表理事

1961 年5 月生まれ
早稲田大学教育学部体育学専修卒
早稲田大学大学院人間科学研究科修了(体力科学専攻)
フィットネスクラブ指導責任者、経営責任者を経て独立
株式会社サミープロジェクトを設立し現在に至る

資格

人間科学(健康科学)修士
教育学士
NSCA-CPT(パーソナルトレーナー)
CSCS(ストレングス&コンディショニングスペシャリスト)
日本体力医学会健康科学アドバイザー
厚生労働省ヘルスケアトレーナー
中学・高校保健体育教員ら
国際救命救急協会救急心肺蘇生法取得者

主な企業フィットネス実績

・ベネッセコーポレーション高齢者身体づくり教室監修
・日本商工会議所主催生活習慣病予防改善セミナー全国各地にて講演
・モーリスコーポレーション健康事業顧問
・ライオンズクラブ健康セミナー
・公立高校における親子健康セミナー

など、企業の健康関連部門においても多数活動